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高森明勅
2012.11.14 19:41

いつの間にか小林よしのりさんが「AKBの人」?

大学で担当している「日本文化研究」の講義を
受講している女子学生から
「天皇や皇室に興味があるので、
何か読みやすい入門書はありませんか?」と相談を受けた。

なかなか感心、と思いながら以前、
私が手掛けた『週刊ポスト』(平成23年1月14・21日号)
の「天皇家50の謎」のコピーをあげ、
一緒に小林よしのりさんの『天皇論』を貸していた。

それを昨日返してもらったのだが、
彼女は返す時にこう言った。

「とても面白くて勉強になりました。
でも、小林よしのりさんて『AKBの人』と
ばっかり思っていましたけど、こんな作品も描くんですね」と。

心中、(ドヒャー)と驚きつつも、
「この人はもともとこういう作品を描く人なんだよ」と
優しく説明しておいた。

どうやら小林さんは、
今やある方面の若者には「AKBの人」になっているらしい。

そういえば、前にある財団の理事長室長とその部下の女性と
3人で雑談していた時に、たまたま小林さんの話題が出た。

話が妙に混線すると思ったら、
室長は「ゴーマニズム宣言」のファンでそっち系の作品しか知らず、
一方、部下の女性は「おぼっちゃまくん」のファンで
ギャグ系の作品しか読んでいなかった、
ということがあった。

昔のヒーローで「7つの顔を持つ」
七色仮面(或いはそのモチーフになった多羅尾伴内)
というのがあった。

小林さんもいくつの顔を持っているのやら。
高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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